枕

初めてご利用いただいたS様。

首肩が苦しくていつも寝つきが悪いそうで、以前、電車で1時間以上かけて高級枕専門店に出向かれ、オーダーメイド枕を作られたそうです。

なのに「全然だめだった」とがっかりされていました。

いわゆる枕問題、こういうお話もときどき伺います。

大前提として、オーダーメイド枕は間違いなく高品質のものです。

これは、枕や専門店が悪いのではなく、「合う枕」の概念が違うと思っています。

 

そもそも合う枕の条件というのは、「寝やすく楽ちんな枕」かつ「体に負担の少ない枕」という意味ですよね。

ところが、首や肩が「悪い状態」か「良い状態」かでは、寝やすさが変わります。

「寝る時につらくて、しっくりこないから新しく枕を作ろう」

とお店に行くわけですよね。

こういう時は、悪い状態がベースでそれに比較的合う形をオーダーメイドしてもらっています。

頸椎のカーブの状態に合わせて、かつ「寝た感じがこれが一番楽です」と選ぶわけです。

ところが、筋肉の張り方、頸椎の柔軟性などは、その都度変化するものです。毎日その枕が合うとは限りません。

もちろん、オーダーメイド枕で安眠を得られる方も多く存在しています。

見方を変えれば、首や肩が良い状態ですと、それこそどんな枕でもグーグー眠れるはずです。

これは、当院の施術のビフォーアフターで数多く検証してきたことでもあります。

 

話は戻ります。

・肩、首、背中上部の痛みやコリが強い方

・ストレートネックでガチガチになっている方

こういう首や肩の状態が悪い方は、一概には言えませんが、どんな枕もしっくりきません。

仰向け、横向き、うつぶせ、枕を高くしても、低くしても、枕なしにしても

「う~ん・・・」です。

仮にしっくりしたとしても、それは入眠のほんの一時的で一晩寝たら、朝かなりつらくなるはずです。

「首や肩がつらいけど、なんとかこの状態だとしっくりくる姿勢」

それは疲労が蓄積している筋肉を、ぐぐっと伸ばしている(ストレッチ)状態のはずです。

その姿勢ですと、コリや痛みを感じなく楽なんですね。

専門的に言いますと、「トリガーポイントの短縮痛を避ける姿勢」になります。

寝相に限らず、デスクワークでもこれは共通しています。

例えば、「右肩のコリが強い人」は「頭を反対側(左)に倒す」とコリの感覚から少し開放されます。

肩こりがひどい方は起きた状態で、ぜひ今試してみてくださいね。

 

さて、後編は「正しい寝方マニュアル」(11月10日(火)までにUP予定)です。

・どんな姿勢で寝たら首や肩に負担が少ないのか

・健康のための寝方優先順位

をご紹介いたします。あまり首肩がつらい方は、まずは整体受けてお体の緊張をほぐしてくださいね。