小さなお子さんを子育て中のお母さんは、基本例外なく「満身創痍」「疲労困憊」な状態で来院されます。

例えばです。お体の状態を確認する際に、うつ伏せになっていただきます。背中などに触れてみて「ここ歪みありますね」「張りが強いですね」と確認したりします。

ところが、うつ伏せになって触れなくても、筋肉の張りや体の歪みがハッキリ分かることがあります。これはお母さんあるあるですが、日々抱っこや睡眠不足で疲労を重ね、まともな休息時間もなく体を酷使し続けている証拠です。

私の妻も以前そうでした。あまりにも筋肉の張りやこわばりが強いため「こんなになるまで頑張ってくれてたんだなー」と感謝し労わりながら、施術した記憶があります。抱っこしなくなり睡眠が安定するとそういう張りは消えました。

M様(40代女性)は、2人のお子さんの育児と仕事の両立の日々で、毎回へとへとで来院されます。今回ご予約状況の混雑やM様のご都合により、1ヶ月以上経過されての来院でしたが、頭痛、肩こり、腰痛の他、両方の膝が痛いとのことでした。

両方の膝が同時に痛くなることは滅多にないのですが、それだけ過酷なのでしょうね。「階段の上り下り」「立ち上がるとき」「しゃがむとき」に痛いとのことでした。

子育て中は、しゃがむ、立ち上がるという動作が頻繁にあり、M様はお仕事で結構歩かれることもあり、明らかなオーバーユースです。大腿四頭筋、半腱様筋、縫工筋、薄筋、ハムストリングスどこも張りが強く、鵞足炎になる手前でした。

<施術方針>

またそのような状態は膝関節も痛めやすく、変形性膝関節症へ発展しやすくなります。幸い歩行はまだ大丈夫ですが、お仕事と育児で膝の回復時間がないので、早急に改善しなければなりません。

また痛みは膝だけではないので、ストレスや睡眠の質への影響も考え、あくまでもお体トータルで施術する必要があります。要は優先順位を正しく、バランス良く、かつ質の良い正確な施術が必須なのです。

<施術後とその後の膝の調子>

お体の各部位に対して多くの手技が必要でしたが、丁寧にポイントを見極め良い施術ができました。施術後、しゃがむ立ち上がる際の痛みは消失するも、まだまだ不安定な状態です。

次回は10日後に来院されましたが、体調はだいぶ回復され、右膝は全く問題なしでした。左膝は「階段下りるとき」「しゃがむとき」にまた強い痛みを発症。前回後に痛みがどちらか残ることは十分想定内ですが、残った方はより悪い状態ということです。

今回は全身調整はしっかりした上で、左膝にしっかり時間をかけることをしました。

左膝の動きに関わる筋肉をすべて緩め、可動域を回復させ、体全体のバランスを整え終了。施術後、膝は立ちあがった感覚で「あ、もう全然らくです」と実感され、屈伸運動もスムーズになり、とても安心されてお帰りになりました。

念のため、しゃがむ時、床から立ち上がる時、階段下りる際に膝関節への負担を軽減するコツをお伝えいたしました。

膝の痛みは、今回のように「子育て真っ最中の方」「ジョギング・ウォーキングよくする方」よりご相談いただきます。お困りのことがあれば気軽にご連絡ください。