首の痛み 

初めて来院されたA様(40代医師)は、首がかなり痛いとお困りでした。

・2年前から急に強い痛みを感じるようになった

・朝起きたときの痛みが一番強い(夕方も)

・痛み止めを飲むと楽になるが、切れるとぶり返しの繰り返し

・レントゲンやMRIでは異常なし

・整体やマッサージなど施術受けたことなし

薬が効いている時以外はずっと強い痛みがあるため、さすがに根本的に解決せねばと来院されました。

レントゲンやMRIは正常であり、首の動きと痛み方から原因は筋肉であることは明白です。

施術を受けたことのない方へ、いきなり最も緊張している首からほぐすのは、あまり望ましくありません。まずは太もも、ふくらはぎ、背中、首肩と順にゆっくり時間をかけて、一つ一つの筋肉を緩めていきました。

施術後「かなり楽になった」と喜んでおられました。とはいえ、痛みの程度がかなり強い状態でしたので、まだまだ分かりせん。

2回目に来院されたのは2週間後。少し空きすぎていたので、どの程度痛みが戻っているか伺ってみると、「痛みはまた出てきていますが大分いいです」とのこと。

痛みがあるにも関わらず、楽に感じられているということは、それ以前が余程しんどかった証でもあります。

「痛みの回避姿勢」ってご存知でしょうか。

人は痛みを感じている状態がイヤなので、無意識に痛みを感じないように姿勢を変えるなどして回避することがよくあります。ところがA様は、頭の向きや姿勢をどう動かしても、回避姿勢がなく痛みが四六時中ずっとついて回り、そのストレスは相当です。

回避姿勢があるということは、その姿勢が正しいかは別にして、逃げ道があるということですよね。痛みからの回避姿勢がないということは、「脳へのストレス」以外の問題がもう一つあります。

「痛みを感じている姿勢」=「体が耐えられず悲鳴」=「筋肉や関節への大きな負担」となります。

つまり、A様の場合、筋肉や椎間板が無理せざるを得ない上に、痛みのストレスで交感神経が過剰に働き続けるため、さらに筋肉は緊張し、消化器系の働き、睡眠の質、メンタルの不調など影響が広がり、どんどん悪化していく可能性が高いのです。

2回目の施術後、1回目の施術後よりもさらに首が楽になられたのを実感され、笑顔で喜んでくださいました。

お仕事で首や肩への負担も大きいそうで、多少無理されても痛みがぶり返さないようさらに改善していきたいと思います。